マスクの高値転売禁止・新型コロナウィルスで考えるべき国内転売の未来

3月15日から国内では個人や業者が医療用などのマスクを仕入れ価格より高値で転売する行為をネット上の取り引きを含めて禁止となりました。
これは政府が10日に閣議決定した「マスクの高値転売を禁止する政令改正」が施行されたためです。
違反した場合は1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科されるため、転売目的の買い占め防止につながると考えられています。

実際に個人事業者も多いヤフオクやメルカリといったプラットフォームでは出品停止や削除が進み、Amazonもマスクやトイレットペーパーなどの日用品に対する出品規制、出品停止を進めています。

こうした動きが正式運用される前の段階から、私はマスク転売のみならず国内転売に関して警報を鳴らしていました。

今回の措置は新型コロナウィルスの影響が収束すれば解除されるようですが、ここをきっかけに国内転売の未来を考えていくべきだと改めて感じました。
また、国内転売だけではなく、世の中を広く、あらゆる角度から俯瞰して分析し、自分の頭で考えて行動をすべきだと私自身も感じています。

そこで今回はマスク転売禁止から見る国内転売の未来と、今後の新型コロナウィルスの影響を考えていきます。

マスク転売禁止は当然の措置

冒頭に記載した過去記事でも書きましたが、マスク転売は最悪の行為です。
私自身はきちんと卸売業者から仕入れた分を販売したので正規ルートで対応しましたが、それもあっという間に欠品となりました。

今回のマスク転売禁止措置は特に2つのポイントがあります。
1つは「小売事業者など」から購入したマスクということ。つまり卸売業者やメーカーといった正規ルートではなく、すでに一般の市場に出回っている商品(マスク)を購入して売ること。
更にもう1つが取得価格を超える値段で譲渡する行為であること。

これらを要約すると「一般の市場に出回っている商品を適正価格以上で販売すること」と言い換えることが出来るのでは無いでしょうか。

そういった意味で、国内転売はまさしく「一般の市場に出回っている商品を適正価格以上で販売する」ビジネスです。
中には「セールや在庫処分で安くなった商品を定価前後で売るのはOK」という解釈もあります。それはそうかもしれませんが、屁理屈もいいところです。

今回、マスク転売が禁止になったのは明らかに国民生活やマスクが必要な事業者にとって迷惑となる行為であるからです。
当たり前の話ですが、法律で禁止する理由は誰かしらに迷惑がかかったり、被害が発生するからです。

今回はマスクという具体的な商品であり、なおかつ新型コロナウィルスの影響で品薄になったからという背景があります。
しかし裏を返せば、こうした転売行為そのものが禁止となる可能性を十分に秘めていると考えられるのでは無いでしょうか。

他のどんな商品であれ、本来「一般の市場に出回っている商品を適正価格以上で販売すること」が良いはずがありません。
しかし現実的には様々な事情で「歪み」が発生し、その歪みの間で利ざやを稼ぐのが国内転売ビジネスです。

以前にも書きましたが、そこに社会性はありません。

国内転売は無くならないのか?

これも以前に書きましたが、国内転売ビジネス(せどり)自体は今後も無くなることはないと考えていました。
今回のような国民生活に深刻な影響がある場合を除き、ゲーム、書籍、おもちゃ、家電製品など、あらゆるジャンルで国内転売は無くならないと。

しかし、今回の状況を受けて私の考え方も変わりました。
いま日本は新型コロナウィルスの影響で深刻な経済打撃を受けています。
既にリーマンショック以上の経済危機とすら言われています。日経平均株価は日々大きく乱高下しています。

自粛ムードが高まり、経済は停滞。ただでさえ良いとは言えなかった日本経済に追い打ちを掛けているのは言うまでもありません。

こうした状況の中で、真っ先に法律で禁止されたのが転売です。
新型コロナウィルスの影響で深刻な打撃を受けている業種は飲食店、旅館、旅行、テーマパーク、イベントなど人々が出歩き、接触する可能性があるといった、いわゆる「不要不急」とされる消費活動です。

一方、新型コロナウィルスの影響で恩恵を受ける業種もあります。
多くの国民が自宅待機や外出禁止となっている状況ですので、例えばオンラインによる動画視聴、買い物などは利用者が増える分野です。
リモートワーク(テレワーク)が半強制的に進められたとも言えますので、関連するWEBサービスやツールも伸びているでしょう。

このように打撃を受けた業種もあれば恩恵を受ける業種もあります。

しかし、法律で禁止されたのがマスクの転売行為です。
もっと言えば、日本国民あるいは世界中が危機的な状況で手を取り合おうとしている中、転売行為は迷惑行為なのです。
それが社会的に証明されたとも言えます。

こうした状況を踏まえると、今回はマスクの品薄が国民生活へ与える影響、という意味でマスク転売が禁止となりました。
言い換えれば「たまたまマスクだった」というだけです。
そして今後、あらゆる転売行為に規制がかかり、国内転売ビジネスは崩壊する可能性も十分にあり得るという見解に変わりました。
つまり「転売=禁止行為」ということです。今は法律で規制されていないから出来ているだけで、それくらい危険性の高いビジネスなのです。

現実的にアーティストやスポーツなどの観戦チケット転売も禁止されるようになりました。
チケット不正転売禁止法です。令和元年6月14日から施行されています。

転売行為の禁止や規制が広がる未来は十分に見えますが、緩和や推進される未来が見えるでしょうか?
そしてそれでもなお、転売ビジネスを続けますか?

中古市場は無くならない

一応補足しておきますが、いわゆるヤフオクやメルカリによる中古品の売買、中古市場は無くならないでしょう。
特に中古品は古物商の許可が必要なので法規制が整っていますし、メルカリなどのフリマ市場も個人規模の売買は一定の需要があるからです。

「ビジネス」となるのは利益を得ようとする商業活動であり、個人が不要品を出品する程度の経済活動であれば規制はされません。
国内転売ビジネスには中古品を扱う手法もありますので、きちんと古物商許可を得ていればそういったビジネスは無くならないでしょう。

しかし、小売店で販売している商品を安く仕入れて高く売ったり、プレミアが付くような貴重品を早く仕入れて高く売るといった転売行為は何ら評価されるものではありません。

新型コロナウィルスの影響は深刻

ここで日本全体に目を向けます。
私が言うまでもないですが、新型コロナウィルスの影響は思っていたよりも深刻です。

私自身も輸入総代理ビジネスで海外企業と取引をしています。中国企業もいますし今やヨーロッパにも影響が及んでいることから、特に商品の仕入れ(輸入)に影響が出ています。幸い、いまのところ倒産や製造中止と言った最悪の事態は免れていますが、入荷遅れは発生しています。

また、明らかに消費が冷え込んでいますので、日用品・生活必需品と今なら除菌、抗菌関連以外の商品は後回しになります。

特にクラウドファンディングで起案されるような商品は、これから開発や輸入される商品が多いので、いわば「不要不急」的な立ち位置です。
それでも売れている商品は売れていますが、後回しになる商品もあるでしょう。
タイミング的には難しい状況となっています。

こうした状況を踏まえると、輸入総代理ビジネスやOEMが優れているとも言えません。
厳密に言えば「商材による」というところです。

クラウドファンディングを見るとCAMPFIREは新型コロナウィルスの影響で打撃を受けた企業や事業者に対しての支援措置を展開しています。
かたやMakuakeでは「今すぐ欲しい」はずのマスクのプロジェクトが軒並み人気を集めていました。

同じクラウドファンディングでも、あるところは支援を、またあるところは今売れるものを売る、という企業姿勢が垣間見えました。

いずれにしても、この危機を乗り越えれば必ずチャンスはやってきます
いつまでも外出禁止や自粛が続くわけでは無いので、それが解ければ逆に熱を帯びるようになることは考えられます。

とはいえ、今現在は厳しい状況です。
私自身も全く余裕はありませんし、常に改善策や次なる一手を考えています。

これまでも将来を見据えて考え、行動してきた経験はあります。
しかし今の状況は本当に1日ごとに状況が変化しています。

どの道に進むべきか、もはや自社だけの都合では無く、世の中の動向や取引先の海外企業の状況も注意深く見ていく必要があります。

深く考えて行動する、この繰り返し

私自身も日々考えることが増えており、決断に迫られています。
とはいえ、もの凄い大事(おおごと)とも思っていません。
なぜなら、以前から考えて行動することを繰り返してきた経験があるからです。
もっと言えば習慣です。

もちろん最初から出来たわけではありません。
考えずに行動して失敗したり、考えすぎて行動できず成功を掴めなったこともありました。

こうした経験を繰り返しながら今に至っていますので、そういった意味では本当に今までの自分がいて良かったと思っています。

もちろん正解は分かりません。
どの道に進むのが良いのか、成功なのかは見えません。それが見えたら苦労はしません。
また自分だけの判断で決められない要素もあります。

恐らく多くの経営者や事業者さん、あるいは会社員の方も悩みや不安を抱えていると思います。
私はまだ経営者として自分で決断する立場ですが、それすらも決められない立場の方もいらっしゃるでしょう。

ただ私の経験から一つ言えることは、いま国内転売ビジネスを中心に取り組んでいる方は考えた方がいいです。
私がもし、いま国内転売ビジネスをメインにしていたら、真っ先に在庫を売り切り、撤退します。それくらい危険な状況です。
そして撤退が早ければ早いほど、別の将来性、社会性、継続性のあるビジネスに参入するのをオススメします。
間違っても「今すぐ稼げる何か」に足を踏み入れないでください。

私は今回の新型コロナウィルスの影響で多くの物事において「本質」が問われていると考えています。

働き方改革では今まで渋っていたリモートワーク(テレワーク)や時差通勤が半強制的に推進されました。
中国に依存した会社は工場が停止して仕入れがストップしてしまいました。(これは私も含め)
転売に依存する人は将来的に全てを失う可能性があります。

本質とは何かを考え、その中で今できる最大限の努力や行動をしていくしかありません。
国内転売ビジネスで言えば、今すぐに完全撤退するのは現実的ではないでしょう。現実的に時間が掛かるのは仕方ないですが、しかし今このタイミングで別の選択肢を考え始めることは出来るはずです。

国内転売ビジネスばかりを引き合いに出しましたが、私がいま取り組んでいるビジネスも同じことです。
何かに依存せず、別の選択肢を持っておく。引き出しを増やしておく。

これが今回の新型コロナウィルスの影響で考えるべきことであり、それに沿って取るべき行動も変わっていくことでしょう。

私自身もしっかりと考え、行動していきます。

この状況で私も偉そうなことは言えませんが、もしいま国内転売ビジネス(せどり)から抜け出したいという方のサポートは可能です。
また、魅力的な商品や技術はあるけど販売方法が確立できていないという事業者様のサポートも出来ます。

皆で協力し合い、この危機を乗り越えていきましょう。

「自分だけ」が稼げるような行動をする人に未来はありません。

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