珍しくカタカナばかりのタイトルで恐縮です(笑)
クロスメディアマーケティングという言葉を
私自がもそこまで意識しているわけではありませんが、
結果としてそうなっている、そこを意識しているということで
事例も踏まえながらアウトプットしていきます。
クロスメディアマーケティングとは?
とりあえず言葉の説明になりますが、
要は1つの商品やサービスを様々な媒体に向けて
情報発信、広告宣伝していくことになります。
多分、「クロスメディア戦略で行くぞ!」なんて
言わなくても無意識のうちに実践している方は多くいらっしゃると思いますし、
私自身もそうだと思っています。
マーケティング界隈の用語は何かとカタカナが多くて
意識高い系な印象もありますが、
用語は用語、意味を知っているかどうかは別として、
何よりも重要なことは実践と検証です。
いくらマーケティングコンサルタントの肩書を持って
様々な知恵を出したところで、現実的なプランでは無かったり、
再現性が低ければ意味がありません。
マーケティングに限らずビジネスにおいては何でもそうですが、
計画や戦略立案も大事ですが、それ以上に実践することが重要です。
私は、あまり難しい用語やカッコいい言葉を使いたがらない
タイプの人間ですが、自然と実践していた、なんてことはたくさんあります。
そして、今まさにオンラインとオフラインを活用した
クロスメディアマーケティングは重要だということに気付きました。
モノが売れない時代に売るための戦略
俯瞰的な見解になりますが、昨今の日本経済は
一昔前に比べれば景気が良くなっている、とは言われています。
とはいえ、実際問題は給料がものすごく良くなっている訳でも無く、
消費税は10月に増税される予定になっています。
良くも悪くも日本国内にはモノと情報が溢れており、
製品過多、情報過多な社会になっていると言えます。
そうなると以前のように「バカ売れ」する商品は減ってきており、
消費増税となれば益々財布の紐はキツくなり、
モノは売れなくなります。
特に私たちのように、生活必需品や日用品、
消耗品といった生活に無くてはならないモノを扱っていない、
いわば嗜好品や無くても困らないモノを扱っている事業者は
決して楽な時代ではありません。
ちょっとしたアイデア商品であっても、
本当に売れるものであればすぐに大手や
外国人バイヤーが真似して参入してきます。
特許や商標などで保護しておかないと
あっという間に淘汰されてしまいます。
つまり、一度や二度上手くいったくらいではダメなのです。
モノが売れない時代において生き残るための戦略。
そこを突き詰めていく必要があります。
そこで1つ重要な要素として、
年商や月商、年収や月収といった
「お金」の数字に囚われないことです。
モノが売れない時代だからこそ、
私たちが目指すべきところは生き残ることであり、
自分の会社、ひとりカンパニーを継続させることです。
クラウドファンディングの繰り返しで終わった会社
直接面識がないので実名は出しませんが、
以前Facebookの友達として繋がりのあった社長さんがいました。
私と同じような、いわゆる輸入総代理ビジネス、
あるいはOEMなどで製品を仕入れ、販売するビジネスです。
中でも、海外メーカーと独占契約を結んで
日本国内でクラウドファンディングを実施する手法を
得意?としていたようで、短期間で結構な数のプロジェクトを実施していました。
私も何度かその会社のプロジェクトを拝見していましたが、
確かにアイデア商品、良い商品はたくさんあり、
支援額も多いもので1000万円を超えるなど
よく売れている印象がありました。
恐らく年商ベースで1億円は行っていたと思います。
年商1億円なら、聞こえはいいし、実際凄いです。
しかし、その会社もプロジェクトを重ねていく中で
段々と売れなくなってきてしまい、聞いた話では
広告費を掛けすぎてしまい資金繰りが悪くなったそうです。
要は、「ガンガンクラファンやってガンガン広告回してガンガン売りまくるぜ!」
的な戦略だったのだと思います。
実際、波に乗っているときの勢いは凄いなと思っていましたし、
それなりの成果が出たのは間違いないでしょう。
とはいえ、最終的には、とあるプロジェクトで炎上しました。
クラファンの炎上でよくある話ですが、
予想以上にたくさんの支援を集めて結果は良かったが、
会社側の資金繰りが追いつかずにオーダーが出来ず、
支援者にリターンを提供できない、という状況になったそうです。
最終的に、その会社は倒産したそうです。
そのプロジェクトがどうなかったか分かりませんが、
恐らく支援者には「返金してほしければ弁護士を通してください」
的なめんどくさい自体になったと思われます。
もちろん、様々な要因が考えられると思いますが、
クラウドファンディングだけを渡り歩き、
せっかくサクセスした商品を伸ばしていくことが出来なかった点は
そうなってしまった要因の1つではないかと考えられます。
目に見える数字は、ほんの一部
この事例のように、一見するとクラウドファンディングで多くの成果を出し、
成功しているように見えるかも知れませんが、
実情としてはクラウドファンディングだけの綱渡り状態になり、
せっかく大きな支援を集めた商品があるのに、
それを伸ばせなかったり、注力出来ずに売上が落ちてしまった、
広告費(経費)をかけ過ぎてしまった、というのは非常に勿体ないです。
特にクラウドファンディングは一定期間の間、
ずっと支援を募る積み上げ型なので、
支援額が伸びると見た目は派手なものとなり、
「凄い商品だ!」「凄い会社だ!」となりがちです。
しかし、当たり前ですが、いくら1000万円の支援を集めたプロジェクトでも
手数料を引き、原価を引き、広告費やその他の経費を引いた上で
残ったお金が重要です。
意図的にクラウドファンディングは赤字でも良い、
という戦略もありますが、その場合は必ずクラファン後の
一般販売で回収できる戦略を立てておかなければいけません。
クラファンの支援額は目に見える数字ですが、
それだけに囚われず、しっかりと利益が残ること、
あるいはクラファンをきっかけに販路拡大やブランディングを行ない、
クラファン後に利益が取れる仕組み作り、仕掛け作りをする必要があります。
クロスメディアの話
ここでようやくクロスメディアの話に戻ります。
いま、私は1つのブランドに多くの力を注いでいます。
そのブランドはクラウドファンディングを2回実施して、
合計300万円くらいの支援を頂きました。
だいたい1つあたり150万円くらいですから、
ものすごい金額でも無ければ、悪くも無いといった感じでしょうか。
先ほど例に挙げた1000万円超えに比べれば
全然大したことはありませんね。
しかし、重要なことは、このプロジェクトで
しっかりと利益を残すことが出来たので、
一般販売に向けては広告費に捻出できたり、
今まで実践してこなかった方向性に進めるようになったことが大きな収穫です。
そこでクロスメディアの話になります。
オンラインではFacebook広告を回したり、
Google広告を出稿したりして露出をしています。
それ以外にも公式サイトにコンテンツを構築して
SEO対策やブランドの世界観作りをコツコツと実践しています。
この辺は物販ビジネスにおいては王道と言える施策です。
そして、それ以外にオフラインへの取り組みも行なっています。
具体的には期間限定のポップアップストアへ出店したり、
百貨店の催事場に出店することです。
上記はBtoC向けですが、BtoB向けとして展示会への出展も予定しています。
これらオンラインとオフラインは相乗効果があります。
なぜなら、消費者の皆さんがどこで自社のブランドに接触するかは分からないからです。
もちろん、オンラインであれば計測は出来ますし、
うちもGoogleアナリティクスを中心に各種連携をして計測をしていますが、
実践していて思うことは、最初にどこでブランド(商品)のことを知って、
どこを経由して、最終的に購入してもらったか、
という経路を辿ることが段々と難しくなっている印象があります。
一番分かりやすい例では、
Facebook広告を見てクリックし、公式サイトに遷移して、
そこから公式ストアに遷移して、商品ページから購入する、
という一連の流れは王道と言えます。
GoogleアナリティクスにもFacebookにもコンバージョンとして残りますし、
そのコンバージョンがどこから来たのかも分かります。
そうなれば、広告のクリエイティブが良かったのか、
あるいは配信先が良かったのか、と検証できます。
このように、購入までのフローが広告をクリックした後から購入まで
途切れずに完結すれば分かりやすいですが、
実際の行動はそうとは限りません。
これは自分自身が何かを検討し、購入するときと同じです。
例えば、何気なくInstagramのストーリーを見ていると、
とあるブランドの広告が出てきた。
そのときはスルーしたけど、後日友達から話を聞いて
「そういえばどっかで見たな」となって、
友達からブランド名を聞いて検索する。
検索するとGoogle広告が出てきて、そこから公式サイトに行く。
一通り商品の紹介文やスペックなどを見て、とりあえず保留。
そんな状態で一旦そのブランドのことは忘れてしまって、
後日、偶然立ち寄ったデパートのポップアップに出店している
そのブランドを見かけて実物に触れ、
「おー、いいね」となって、その場で購入した。
こんな流れになったらどうでしょうか?
複雑なようですが、結構現実的な購入フローだと思いませんか?笑
ましてや、不純な例えで申し訳ないですが、
実店舗で見つけても一旦保留し、
後日もう一度行ったら、その時の店員さんが可愛い子だったので、
それも相まって思わず買ってしまった、なんて理由だったら(笑)
きっかけはInstagramのストーリーかもしれないけど、
最終的に購入の動機になったのは実店舗で接客をしてくれた
可愛いお姉さん、ということになりかねません。
考えすぎかも知れないけど、結構現実的でもあります。
どこで見られているか分からない時代
冒頭でも書いたように、現代の日本は情報過多、商品過多といえます。
モノも情報もありすぎる中で、自社の商品・ブランドが
どこで見られているか(どこで顧客と接触するか)は
分かるようでわかりにくい時代です。
先ほどの例えのように、きっかけはオンラインでも
最終的な購入の動機となったのはオフラインの強みである
「接客」によるものかもしれません。
逆もしかりで、実店舗で見つけて、
オンラインで購入するパターンもあるでしょう。
つまり、オンラインだけ、オフラインだけという偏った戦略で
成功するのは非常に難しい時代になっており、
オンラインもオフラインも、どちらも活用しなければいけません。
ここ最近、私はこのことを何度も書いていますが、
それは自分自身への意識付けもあります。
クロスメディアマーケティングなんて
カッコいい言葉を使わなくても、
オンラインとオフラインのどちらも活用し、
オンラインはオンラインでSNSから公式サイトまで、
オフラインも関東や関西、九州など幅広く展開する必要があります。
もっと言えば、世界を見据えて海外展開するのもアリでしょう。
タイトルにも書いたとおり、私自身もまだまだ検証中です。
特にオフラインはこれから本格的に取り組んでいくので
成果が出るまでにある程度の時間は掛かると思いますが、
ちょっとした取り組みでも大きな収穫となっています。
是非、クラウドファンディングで上手くいった方は
オンラインとオフライン、どちらも意識した
クロスメディアマーケティングに取り組んでみてください。
私も頑張ります。
合同会社FRONTIER TRADE代表社員。
一人でも出来るビジネスを通じて一生涯に渡って稼ぎ続ける情報を発信するメディア「ひとりカンパニーのススメ」を運営。自らもひとりカンパニーとして輸入総代理ビジネス、Webサイト構築、メディア運営、YouTubeなどに取り組む。