体調管理と病院に行くニーズ・自社商品が選ばれるニーズの話

先週、久しぶりに風邪をひきました。
症状としては痰が絡んだ咳が出たのと、
39度近い熱が出ました。
どちらか一方ならまだしも、
咳と熱が同時に来るとかなりしんどく、
丸二日くらいは寝込んでしまっていました。

先週火曜日の夕方くらいから違和感があり、
夜には熱が出てきたので翌朝にはすぐ病院へ。
原因は分かりませんが、どうも咳が出るような風邪は流行っているみたいです。
このところの異常気象の影響もあるかもしれません。
今月は7月だと言うのに全く晴れず、
気温も25度未満がほとんど。
これほど夏日が少ない7月は珍しいみたいです。
雨も多いので天気が優れない中で
気温も上がらず、服装や室内の空調管理も苦労します。

梅雨が明けると、また暑くなるそうなので
この気温差や天候の急変には本当に困ったものです。

身体は資本であるという基本

よく『身体は資本だ!』という言葉を聞きますが、
本当にその通りです。

どんなに優れた能力を持っていても、
それを発揮できる状態に無ければ意味がありません。

スポーツ選手でも、優秀な選手が怪我で離脱を余儀なくされ、
結果として思うような成績を残せずに引退、という方も珍しくありません。

仕事で言えば、会社員の時は組織なので
まだ自分が休んでも誰かが代わりにやってくれる
といった対応ができますが、
個人事業主や起業したばかりの一人社長だと
自分が倒れてしまうと業務がストップしてしまいます。

そうは言ってもやることはたくさんあるし、
なかなか休む時間も無いし・・・というのも
経営者、個人事業主「あるある」かもしれませんね。

私はと言うと、もちろん長期的に離脱してしまったら大変なことですが、
今回はタイミング的に諸々の納品や販売体制が整っていたこと、
細かい作業は任せられるスタッフがいることによって
そこまで大きな問題はありませんでした。

とはいえ、やはり動くに動けないという状態は
精神的にも嫌なもので、どうしてもネガティブになってしまいがちです。

資本と言えば現金や株、不動産などを思い浮かべがちですが、
自分自身の身体こそ重要な資本であり、
そこがストップしてしまうことのないように
気を付けなければいけないと改めて実感しました。

有名な経営者が健康管理、体調管理に物凄く
気を使う人が多いのも頷けますね。

病院に行く、というニーズとアクション

さて、今回私は丸二日寝込み、熱が下がってからも
すぐにはバリバリというわけにも行かなかったので
少しずつ動きながら休み、という日々を過ごしていました。

特に寝込んでいた時は熱で全身がだるくなり、
なおかつ寒気や咳が出ることによって胸が痛くなるなど、
ピークの時は本当に辛かったです。

そんな状況の中で、何よりも先に行ったのは
言うまでもなく病院です。

火曜日の夜に違和感を感じ、
翌朝には「完全に風邪だな」という状況だったので、
そのまま近所の内科の診察開始時間とともに行きました。

普段、元気な時は病院に行くことは無いと思いますし、
「病院に行きたいな」なんて思う人もいないでしょう。

では、どういった時に「病院に行きたい」
というニーズが生まれるでしょうか?

それは、まさに今回の私のように、
身体のどこかに異常をきたした時ですね。
例えば鼻が詰まって夜寝苦しい人がいたとして、
その人の課題(ニーズ)は「鼻の通りを楽にしたい」です。

では、どうしたら解決できるでしょうか?

市販の薬を買うというのもそうですが、
「最も早くて確実」という意味では
「耳鼻科に行く」という選択になります。

正直、保険証があれば市販の薬を買うよりも
病院に行ったほうが治療代も薬代も安いものです。
しかも的確に診察してもらえるので。

それはさておき、とにかく
「鼻が詰まって辛い」という課題を解決するためには
「耳鼻科に行く」というアクションが必要になります。

では、ここでもう一歩突っ込んで考えると、
「どの耳鼻科に行くのが良いか?」という選択もあります。
既に診察券を持っていて行ったことがある病院ならそこでいいでしょうし、
もしその時の印象や治療が微妙だったら変えるという選択もあります。
また、初めて行くところだとすると、
場所は自宅の近くなのか、あるいは勤務先の近くにするのか。
色々と選択肢はあるはずです。
診察時間も重要ですね。
朝一番で行くのか、昼休みの間に行くのか、
あるいは仕事が終わってからでも行けるところを探すか。

このように、「耳鼻科に行く」という行動を考えただけでも
様々な選択肢があり、その選択の結果としてどこかの病院を選ぶことになります。

では、これを「病院側の立場」で考えてみましょう。

当然ですが、病院側からすれば自分の病院が選ばれて欲しいわけです。
しかし、残念ながら、この人が「鼻が詰まって苦しい」という
症状(解決したい課題)があることを病院は知りませんし、
知る余地もありません。

ですから、病院の方から手を差し伸べることは難しいものです。
つまり、患者さんのいくつもの選択肢の中から
何らかの理由をもって選ばれる必要があります。
・家から近いから
・通り道だから
・会社の近くだから
・診察時間が長いから
・評判が良さそうだから
・先生が優しそうだから
などなど、選ばれるための要素はたくさんあります。
とはいえ、自分自身もそうですが、病院を選ぶ際、よほど重たい病でなければ
どの病院に行くか、そこまで深刻には悩まないでしょう。

そして、自分が「何となく」でも選んだ病院に行き、
診察して治療してもらい、薬をもらって
症状がすっかり解消されたら、
しばらくはその病院に行くことは無くなるのです。

病院側からすれば、数多ある選択肢から自分の耳鼻科が選ばれ、
患者さんに来院してもらい、治療をして、薬を処方し、
ようやくお客さんのニーズを解決できます。

しかし、もしそれで症状が良くなればもう来ることはありませんし、
せいぜい来ても2~3回程度でしょう。

重たい症状の方で無ければ、
そういった数回だけのお付き合いのお客さん(患者さん)に
選んでもらうための努力を積み重ねることになります。

自社の商品で同じことを考える

病院に行くまでのニーズや状況を書いてきましたが、
これはまさしく自社の商品がお客様に選ばれる(買ってもらう)
あるいは来店してもらうまでの行動と非常に似ています。

病院の場合はニーズが明確ですし、
なおかつ「早く治したい」「身体が辛い」
という喫緊の課題ですので、そのニーズはより高まりますが、
私たちが販売する商品においても
同じようなことは当てはまるはずです。

分かりやすいところで「外出中に喉が渇いた」という
課題を解決しようと思ったら、
当然ですが「飲み物を買って飲む」という行動になります。

その過程においては、まず
飲み物を「どこで買うか」という選択があります。
コンビニなのか、自動販売機なのか、スーパーなのか。

そして同時に「何を飲みたいか」によっても
購入する場所は変わってきます。
「水でも何でもいい、価格も問わない」という状況なら
自動販売機で十分ですね。

しかし、例えばエナジードリンクの「レッドブルが飲みたい」
となったら自動販売機に無い場合もあります。
そうするとコンビニなのか薬局なのか、
ただいずれにしても同じものは多くの場所で買えます。

これは身近な例ですが、もっと日常生活に溶け込んだもの、
あるいはニッチな分野(欲しい人はものすごく欲しいけど、
必要ない人からすれば全く必要ない)もあるでしょう。

よく極端ですが分かりやすい例として挙げられるのが、
500mlの水をより高く販売するには、どこで販売したらいいでしょうか?
という話があります。

答えは「砂漠のど真ん中」であったり、「富士山の頂上」などがあります。
要するに普段生活していてありふれたものであっても、
それが「貴重」になる場所で売れば価値が上がり、
それだけ同じモノでも高く売れるという考え方です。

私たちにしか販売できないもの

このように、私たちは私たちにしか販売できないモノを、
必要とする人たちに的確に届ける(訴求する)必要があります。

安価で大量生産できる日用品や飲料のようなものは、
私たちのような中小規模ではまず出来ません。
なぜなら、そういった分野は大手企業が強いからです。

だからこそ、私たちが扱うモノはエッジの効いた珍しいもので、
なおかつ実用性もある、まさしく選ばれるモノである必要があります。

だからこそ、「病院に行く」という明確なニーズを持った人と
同じくらいの確度の人たちに訴求する必要があるのです。

耳鼻科に行く人と同じニーズに訴求する

先ほども書きましたが、病院側にとっては
たとえ過去に診察したことのある患者さんでも、
定期的に通院することが決まっている人でない限り
次にいつ診察に来るのかは分かりません。

鼻が詰まって夜になると寝苦しい、という症状を
病院側が感知することはまず難しいです。

しかし、逆に言えば「鼻が詰まって苦しくなったら来てください」
という訴求をすることは可能です。
たとえ、今は鼻が詰まっていなくても、いずれ起こるかもしれない。
あるいはちょうど耳鼻科を探していた時に、
そんな病院からのお声がけがあれば、とりあえずその病院に行ってみようかな、
となるのが人間の心理と言うものです。

病院の場合はそういったケースは少ないかもしれませんが、
それでも駅やバスの車内で病院の看板は良く見かけます。
看板も列記とした広告媒体、広告宣伝です。

これと同じように、「鼻が詰まって苦しい」という
具体的かつ明確なニーズを掘り起こしていき、
自分たちの商品が確実に必要な人に届ける努力が必要になります。

それは具体的であり、かつ明確である必要があります。
また、もし似たような商品があれば、
それらと比較されることも考えなければいけません。

今の時代、どれだけ独自性があったり斬新な商品であっても、
何らかしら比較対象となる商品があるものです。

価格なのか、機能なのか、デザインなのか。

しかし、そこに確実なニーズがあって、
お客様に選ばれる対象に上がり、
商品に間違いが無ければ(品質的な意味で)
選ばれる可能性は高くなります。

どうしたら選ばれるのかを試行錯誤する

色々と書いてきましたが、答えは一つじゃないし
試行錯誤をしながら見つけていくものだと思います。

また、時代が変わればニーズも変わるし、
人間の心理や趣味嗜好も変化します。

たとえ同じ人間でも、年齢を重ねて変わることもあります。

そう考えると常に変化し続ける必要がありますし、
同じやり方がずっと通用することもあり得ません。

とはいえ、試行錯誤して色々なことにチャレンジし、
失敗したりしながら成功体験を積み重ねるからこそ
自分自身や自社だけの強みだったり糧になるものです。

今回の病院が選ばれるニーズと
自社商品が選ばれるニーズは、
まさに自分自身が体調を崩し、
「病院に行かなければならない」という状況になったからこそ
改めて気が付いたことです。

今回、私は近所の内科に行くことに
何のためらいも無かったですし、
過去に行ったことのある病院だったので即断即決でした。

ここまでのニーズを拾えることが理想ですが、
やはり理想をベースに考えながら戦略を練っていくととが必要になります。

そのためには、やはり具体的であり、明確であることです。
偉そうに言っていますが私自身も
それを見失いそうになることもあります。

しかし、今回は幸いにも体調不良から
そのことに改めて気が付きました。

そう考えると寝込んでいた時間も無駄では無かったと
自分自身に言い聞かせています(笑)

普段の何気ないことから
自分のビジネスに落とし込んでいくという
発想を常に持っておくようにしたいですね。

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