クラウドファンディングの始め方として日本でもポピュラーになってきているのが購入型クラウドファンディング。
いわゆる物販型クラウドファンディングともいわれ、プロジェクトが成功した暁にはリターンとして商品そのものや付属品などが受け取れるという内容のクラウドファンディングです。
最近では購入型クラウドファンディングが「珍しい商品が集まる予約制ショッピングサイト」という立ち位置になってきているのも事実です。体裁としてはクラウドファンディングであるものの、もっと分かりやすくクラウドファンディングを普及させたいと考えたプラットフォーム側の表現方法と言えます。
いずれにしても購入型クラウドファンディングを始めるにあたって「どのプラットフォームを選べばいいか?」という疑問は特に初めてクラウドファンディングを始める方に多いと思います。
そこで今回は私自身の経験はもちろん、周りの経営者の体験談、そして実際のクラウドファンディングプラットフォーム担当者、つまり「クラウドファンディングの中の人」の話も交えつつクラウドファンディングの始め方で悩まないお勧めのプラットフォームを3つご紹介します。
全てのプラットフォームで私自身も起案経験がありますので各プラットフォームの特長も踏まえて徹底解説します。
Makuake
Makuakeは国内クラウドファンディングプラットフォームのリーディングカンパニー的な存在です。
その最大の理由として国内クラウドファンディングとしては唯一の株式市場上場を果たしています。
Makuakeの概要
Makuakeは株式会社マクアケが運営するクラウドファンディングプラットフォーム。
幅広いジャンルのプロジェクトが集まるプラットフォームで、起案者・支援者ともに「名前は知っている」という方も多いのではないでしょうか。
ちょうどこの記事を書いている2020年1月13日時点で歴代最高支援額を更新中のプロジェクトがあり、総額2憶4,000万円を超えているポータブル電源「EFDELTA」があります。
その他に1億円超えのプロジェクトが3件、5,000万円超えは20件を記録。
サービス立ち上げ当初は飲食店やイベント、映画やアニメなどのアート系などがバランス良く起案されている印象でしたが、ここ最近は購入型クラウドファンディングが増えており、支援額も伸ばしています。
先ほどの1億円超え3件はいずれも商品を提供する購入型で、5,000万円超えも18件となっており、上位プロジェクトは圧倒的に商品提供の購入型クラウドファンディングが占めています。
Makuakeの手数料
Makuakeの手数料は20%となっています。(2020年1月時点)
クラウドファンディング業界の中では相場くらいの手数料と言えます。
一般販売のプラットフォーム(Amazonや楽天市場など)は10%前後が相場なので、その辺りと比べれば高い方ですが、仕組みが異なるので一概に比較は出来ません。
ただし、実際にはリターンの特典として販売予定価格から割引を適用することが購入型クラウドファンディングでは一般的なので、その分の割引率も含めると利益率は結構シビアになります。
その他に輸入品であれば海外からの送料や関税が発生し、国産品でも支援者に配送する送料など諸経費も掛かります。
こうした経費をトータルで考えると、その中での20%は決して低いとは言えず、むしろ痛いところでもありますが、その分だけメリットもあるので「仕方ない」というところではないでしょうか。
Makuakeの特長・強み
Makuakeの最大の強みはプラットフォーム自体の知名度と、それに伴う集客力です。
もともとMakuakeの集客力は他のプラットフォームよりも多い傾向にあり、特にトップページに掲載されるプロジェクト開始初日は2,000PV前後はアクセスが集まります。これは広告宣伝をせずに、Makuakeの自然流入での数字です。
もちろんタイミングや事前準備の有無によって異なりますが、プロジェクト開始直後から多くのアクセスが集まるのはMakuakeの強みです。
また2019年12月に上場したことで、より知名度を上げるための施策や起案者サポートも充実されると考えられるので、今後も国内クラウドファンディングで存在感の強いプラットフォームになるでしょう。
Makuakeで利用できる機能
実際にMakuakeでプロジェクトを起案した場合に利用できる機能をご紹介します。
Makuakeアナリティクス
プロジェクトのアクセス解析はMakuake独自のアナリティクスが利用できます。
日別のアクセス数(PV数)や支援数、支援額といった基本的な指標はもちろんですが、どこからの流入なのか、アクセスしたユーザーの性別や地域、職種なども計測されます。
自分でカスタマイズすることは出来ないのでGoogleアナリティクスに比べれば精度は落ちますが、基本的な指標は網羅されているので不便はしません。
活動報告(トップ掲載)
プロジェクトがスタートすると活動報告が利用できるようになります。
活動報告はどのクラウドファンディングにも欠かせない機能で、文字通り支援者や関係者に対してプロジェクトの進捗などを情報共有するための機能です。
簡単に言えばクラウドファンディング内のブログのような機能で、Makuakeでは更新するとトップページに掲載されます。
Makuakeは日々多くの起案者がプロジェクトを起案していますので情報量が多く、何もしないとすぐに埋もれてしまいます。
かといってむやみやたらに活動報告を投稿するのは微妙ですが、適度なタイミングで投稿することで支援者だけでなく、新規で訪れた人にも自社のプロジェクトを認知させることが可能です。
応援コメント(トップ掲載)
実際にプロジェクトを支援してくれた支援者が任意で応援コメントできる機能があります。
任意なので投稿する人としない人がいますが、投稿してくれるとこちらもトップページに掲載されます。
それだけでなくプロジェクトページにはきちんとストックされていきますので、まさに支援者からのリアルな声や応援がもらえるので純粋に嬉しいものです。
不特定多数の人に支援を募るので支援者コメントまでコントロールすることは難しいですが、少しでも多くのコメントをもらえるような施策や工夫をすることも重要な要素になります。
Makuakeのサポート
Makuakeでプロジェクトを起案した際にMakuakeがサポートしてくれる内容をご紹介します。これらは全て保証ではなく、起案者の希望やプロジェクトの支援状況によっても異なります。
基本的には支援額が伸びていればいるほどMakuakeのサポートも手厚くなると考えていただくと理解しやすいかと思います。
メルマガ配信
定期的に発行されるMakuakeのメールマガジン。
これまでの支援者が多く購読しているので、ここで紹介されるとアクセス増に繋がります。
掲載は無料で、最低でも1回は掲載してくれます。その後どれだけ掲載してもらえるかはプロジェクトの支援状況、あるいはこれまでの会社としての実績やMakuake担当者との関係性にもよります。
支援が伸びれば伸びるほどメルマガ掲載の頻度も多くなる可能性が高いので、好循環となります。
Facebook広告運用
MakuakeのアカウントでFacebook広告運用代行をしてくれます。
ただし、出稿には条件があります。
- 支援総額が100万円以上達成している
- 出稿条件は掲載期間1週間で予算30万円
この辺りはプロジェクトによって異なりますが、出稿したほうがアクセス数が増えるのは間違いありません。
とはいえ、Facebook広告による直接的なコンバージョン(成約)がどの程度なのか分かりづらいのと、知り合いの起案者数名に話を聞く限り支援が伸びる場合とそうでもない場合に分かれるようなので「必ずオススメ!」とまでは言えない状況です。
商材にもよるようなので、依頼するかどうかは慎重に検討したほうが良さそうです。
もし自社で出稿できれば自社で取り組んでもOKです。予算や出稿期間をフレキシブルに調整したい人は自社運用でもいいでしょう。
Instagram投稿
MakuakeオフィシャルInstagramアカウントにてプロジェクトの紹介をしてくれます。
2020年1月時点でフォロワー数16万4,000人を集めているアカウントなので影響力は大きいと言えます。
とはいえ、1投稿あたりの「いいね」数は100~200くらいなので、投稿からどのくらいコンバージョンに繋がるかは不明です。どちらかと言えば認知度拡大の目的や、Makuakeのオフィシャルアカウントで紹介してもらったという実績作りでの活用が良さそうです。
これもやはり、どのプロジェクトでも投稿してくれるわけでは無さそうなので、他の施策も含めて支援額を伸ばしていく必要がありそうです。
Instagramライブ配信
上記に同じくMakuakeのオフィシャルInstagramアカウントにて、不定期でのライブ配信が行われます。
ライブ配信では実際にスタッフの方がプロジェクトを紹介してくれたり、Makuakeの紹介やイベントなどがあればその紹介をします。
ここで選ばれるかどうかも、やはりプロジェクトの注目度が重要になると思われるので他の施策と合わせてオプションくらいの感覚でいたほうが良さそうです。
Makuakeに向いている商材・会社
最後にどんな商材や会社がMakuakeに向いているのかについてです。
- 日本初上陸・国内初の新興ブランド
- ガジェット系以外の日用品、アパレル、キッチン系など
- 数千円台の安価な商品から1万円くらいまで
- 初めてクラウドファンディングを起案する会社(または個人)
- 自分(または自社)でシェアなどができて発信力がある
- とにかく一度クラウドファンディングを経験してみたい
とにもかくにもMakuakeの強みは集客力とクラウドファンディングの知名度です。
支援者側もクラウドファンディングに馴染みのある人から、そうでもない人まで幅広くいます。
言い方は悪いかもしれませんが「浅く広く」という考え方が近いイメージのプラットフォームです。
一般のECモールで言えばAmazonのイメージです。
Makuake自身が「Makuakeは予約制のショッピングサイトである」という発言をしているくらいなので、多くの人に「珍しい商品が手に入る未来型のショッピングサイトですよ」といった触れ込みで訴求しています。そのためか、年齢層も割と若い方も支援者には多くいます。
商品の単価が安い場合もMakuakeが向いています。他のプラットフォームだと有料施策がやりづらいためです。
また、ここ最近は審査が厳しくなっており、特に輸入系の商品は初めて国内クラウドファンディングを起案することが絶対条件となります。他のプラットフォームで起案してしまうとMakuakeではほぼ確実に起案できないので「日本初上陸」や「国内初公開」系はMakuakeがお勧めです。
実際のプロジェクトページで「日本初上陸」といった表現はエビデンスが取れないため使用できなくなりました。
繰り返しにはなりますがMakuake自体の自然流入が多いので、数多くの外部施策を打たなくてもある程度の集客を見込めます。
ですので、とりあえず一度クラウドファンディングを経験してみたい方や、自社や自分の発信で人を集められるような人にも向いています。
もちろん一概には言えませんので決めつけは出来ませんが、後述するガジェット系が強いプラットフォームがあるので、それ以外の商材であればMakuakeで良いと思います。
GREEN FUNDING by T-SITE
GREEN FUNDING by T-SITEは「T-SITE」が付くようにTSUTAYAなどを運営するCCCグループのクラウドファンディングサービスです。
GREEN FUNDINGを運営する株式会社ワンモアは2011年に設立しており、国内クラウドファンディングの中では長い歴史と実績を持っている会社と言えます。
GREEN FUNDINGの概要
購入型クラウドファンディングの中でもイヤホン、スピーカー、PC用品などガジェット系の製品が多く集まる傾向にあります。
また映画やアニメなどのカルチャー系も根強い人気です。
1億円超えのプロジェクトはMakuakeと同じく3件、5,000万円超えは5件ですが、1,000万円超えは30件以上。
中でも物販系のプロジェクトに留まらず、アニメやアートなどのプロジェクトでも1,000万円超えが複数あります。
GREEN FUNDINGの手数料
GREEN FUNDINGの手数料は20%となっています。(2020年1月時点)
ただし他のプラットフォームと異なるのは、GREEN FUNDINGはフランチャイズ制を採用しています。
私が所属している輸入商社コミュニティPIUも加盟しているのですが、フランチャイズに加盟すると手数料が15%前後になります。
前後と書いたのは実際に運営する会社と利用する人たちの取り決めにもよるためです。
PIUでは月額制コミュニティのPIU BizTerrace(ビズテラス)を運営しており、そこに加入するとPIUファンディングが利用できるようになります。
その場合の手数料は16%です。4%下がるだけでもだいぶ手元に残る金額は変わりますので経営的には大きな要素と言えます。
PIU BizTerrace(ビズテラス)に加入してPIUファンディングを利用したい方はお問い合わせください。
GREEN FUNDINGの特長・強み
GREEN FUNDINGの強みはFacebook広告の運用力と支援者のリピート力です。
詳しくは後述しますが、一言で言って熱狂的なGREEN FUNDINGのファンが多くいるのが特長と言えます。
もちろんクラウドファンディングに初めて支援するという方も多くいらっしゃいますが、比較的、収入や生活に余裕がある層が一定数ファンになっている印象です。
実際に単価が数万円するような商品でもGREEN FUNDINGであれば割と売れる傾向にあります。Makuakeでは余程ハイスペックなガジェット系商品などで無ければ高単価商品は売れづらい傾向にあります。
GREEN FUNDINGで利用できる機能
実際にGREEN FUNDINGでプロジェクトを起案した場合に利用できる機能をご紹介します。
Googleアナリティクスとコンバージョンタグ
GREEN FUNDINGではプロジェクトページに自社発行のGoogleアナリティクスタグを設定することが可能です。
つまり普段からGoogleアナリティクスでアクセス解析をしている会社や個人であれば、同じ感覚でプロジェクトページの分析が可能になります。これは他のプラットフォームでも提供していないサービスであり、GREEN FUNDINGの寛容性が分かるありがたい機能です。
また、GREEN FUNDINGではコンバージョンタグも設定可能です。これはハッキリ言って物凄い強みです!!
後述するFacebook広告の運用結果はもちろん、各種施策の結果がダイレクトに数字として計測・分析可能です。
Googleアナリティクスやコンバージョンタグなどは少しテクニカルな要素もあるのでWEB関連に明るくない場合は魅力を感じないかもしれませんが、多少分かる方であれば、これがどれだけ重要かお分かりいただけるでしょう。
残念ながらMakuakeではGoogleアナリティクスタグの設定もコンバージョンタグの設定もできません。もちろんMakuake内部では持っているでしょうが、詳しい数字は管理画面のアナリティクスでしか分かりません。
この辺りを開放しているGREEN FUNDINGは起案者の自主性や主体性に重きを置いているとも言えます。
なので、後述しますが自社でガンガン進めていきたい起案者にはピッタリのプラットフォームです。
活動報告(メール送信)
活動報告はGREEN FUNDINGでも利用できます。投稿すると支援者にはメールで通知が行くので、特にプロジェクト終了後の進捗報告に活用できます。
一応GREEN FUNDINGのトップページにも掲載されますが、GREEN FUNDINGは自然流入がやや弱いので正直投稿しただけでの集客はあまり見込めません。あくまでも支援者への報告機能として使うのがベストです。
支援者コメント
支援者から応援コメントが入ると掲載されます。こちらも更なる集客を呼ぶというよりはお客様の声として受け取るのが主な役割となります。
プロジェクトが終了して公式サイトや公式SNSなどを運営する場合、まさに「お客様の声」として掲載できるのもメリットです。
GREEN FUNDINGのサポート
GREEN FUNDINGでプロジェクトを起案した際にGREEN FUNDINGがサポートしてくれる内容をご紹介します。これらは全て保証ではなく、起案者の希望やプロジェクトの支援状況によっても異なります。
Facebook広告運用
GREEN FUNDINGでの主な集客の1つとしてFacebook広告の運用は欠かせない存在です。GREEN FUNDINGのFacebook広告運用はMakuakeのように期間や予算に決まりはありません。あまりに少額過ぎるのはFacebook広告のアルゴリズム的にも良くないので推奨されていませんが、それでも数万円規模で広告運用を実施してくれます。
写真や動画などを素材を提供すれば広告のクリエイティブも作成してくれますし、予算も例えば「支援額の10%くらい」といったリクエストに応じて運用してくれます。まさに起案者と二人三脚でプロジェクトをサポートしてくれるのがGREEN FUNDINGの特長であり強みです。
実際にFacebook広告からのコンバージョンも多く、知り合いの起案者で上手く行った事例としてはCPA1,000円前後で回ったという実績もありました。これだけ成果が上がるFacebook広告はなかなか無いですが、それを支えているのがGREEN FUNDINGが持っているFacebookピクセルだと考えています。
Facebookピクセルは運用すればするほどデータが蓄積されていき、最適化が図られます。これまでGREEN FUNDINGで起案してきた膨大なプロジェクトのデータが蓄積され最適化されていますので、そのデータをいきなり活用できるとも言えます。
そのためか、実績が上がっているガジェット系商品はその後も他のプロジェクトで支援が伸びる傾向にあります。これはGREEN FUNDINGで支援する人の多くがガジェット系商品に興味関心がある、というデータが出ているからかもしれません。
こうした、これまでの実績や支援者層をしっかりと蓄積して活かしているのがGREEN FUNDINGです。
メルマガ・LINE配信
上記Facebook広告の強みでご理解頂けたかもしれませんが、GREEN FUNDINGが抱える支援者リストに向けてのメルマガ配信やLINE配信もコンバージョンに繋がりやすい強力な媒体です。
メルマガは最低1回は掲載され、支援の伸びによって更に配信されるケースもあります。LINE配信は必ずではありませんが、ある程度の支援額を集めていれば掲載枠を確保してもらうことが可能です。
前述の通り熱心なファンが多いGREEN FUNDINGですから、こうしたメルマガやLINEの配信によるコンバージョン率が高いのも強みです。
Engadget記事掲載
2019年からガジェット系メディアのEngadgetと提携し、プロジェクトが紹介されるようになりました。
そのため前述の通りガジェット系商品は相性が良いので支援が伸びる傾向にあります。
もちろんガジェット系以外にも商品に魅力があれば支援は伸びます。
要は「面白いもの好き」な層に刺さる商品であればあるほどGREEN FUNDINGの支援者層に刺さりやすい傾向にあります。
YouTubeレビュー動画
まだ試しながらとのことですが、YouTubeでのレビュー動画もサービスとして提供を開始しているそうです。
クラウドファンディングで支援を伸ばす施策の1つとして人気ユーチューバーやインフルエンサーに商品を提供、あるいは貸し出しをして紹介してもらう方法があります。相性の良い紹介者であればその投稿をきっかけに支援が伸びることも多々あります。
とはいえ、こうした施策には紹介料のフィーが必要になったり、「やらせ」が疑われることも少なくないですが、クラウドファンディングを運営するプラットフォームが自ら紹介してくれればより説得力が増します。
また、クラウドファンディングの商品は基本的にまだ完成していない場合が多いので、サンプルでも実物を動画(映像)として訴求できるのは支援者にとっても商品を確認する選択肢が増えるので良いことです。
GREEN FUNDINGに向いている商材・会社
既にいくつかGREEN FUNDINGに向いている要素を書きましたが、改めて下記にまとまます。
- イヤホン、スピーカー、PC周辺機器などのいわゆる「ガジェット系」
- 自社でもアクセス解析やメルマガ配信、インフルエンサーへの依頼といった施策ができる
- Facebook広告運用に理解があり積極的にやりたい
- 担当者と近い距離で二人三脚で進めていきたい
このように、プラットフォーム任せにせず自社でも積極的に外部施策や販促ができると良いでしょう。
アクセス解析からプロジェクトページの編集も含めて自由度が高いので、自分たちでガンガンやっていきたい会社や個人はGREEN FUNDINGがお勧めです。
また商材によってFacebook広告運用がハマれば物凄い低CPAで成果を上げることも可能です。
こうしたマーケティング周りも含めて戦略的にプロジェクトを進めたい人や、相性の良い商品を持っている人にお勧めです。
ちなみに私個人的にはGREEN FUNDINGが最もお勧めのクラウドファンディングプラットフォームだと考えています。繰り返しますが、あくまでも個人的な意見です(笑)
machi-ya by CAMPFIRE
machi-yaは「CAMPFIRE」と付くようにクラウドファンディング大手CAMPFIREのコンテンツとして利用できるクラウドファンディングプラットフォーム。
もともとは株式会社メディアジーンと株式会社新東通信が2015年6月に立ち上げたクラウドファンディングですが、2019年1月よりCAMPFIREでの運営を開始しました。
CAMPFIREは国内クラウドファンディングの中でも良く知られていると思いますが、machi-yaは後発と言えます。その両者が手を組んで運営し始めたのが去年からということで、これから特に購入型クラウドファンディングの中では注目のプラットフォームになります。
machi-yaの概要
machi-yaは商品を提供する購入型クラウドファンディングが中心となっているプラットフォームです。
もともとCAMPFIREは商品を提供する購入型よりもイベント、店舗、カルチャーといったサービス系プロジェクトが多く、支援額も伸びる傾向にありました。
ホリエモンやお笑い芸人キングコング西野亮廣氏のプロジェクトなど、芸能人や著名人がクラウドファンディングする際に利用するプラットフォームとしても認知されていました。
クラウドファンディングプラットフォームとしてのノウハウを持つCAMPFIREと商品を提供する購入型が強いmachi-yaが手を組んで形なので、machi-yaがより一層強化されたと言えます。
後発なのでまだまだ大型案件は少ないですが、2017~2018年辺りは100万円くらいがチラホラという感じだった規模感も現在では100万円超えは当たり前のようになり、1,000万円超えやそれに迫るプロジェクトも増えてきました。
確実に以前よりも流通規模は大きくなっています。
machi-yaの手数料
machi-yaの手数料は25%となっています。(2020年1月時点)
内訳はmachi-ya本体の手数料が20%で決済手数料5%です。
他のプラットフォームに比べて高いのは事実ですが、それなりの理由もあります。
詳しくは強みのところで書きますが、machi-yaでプロジェクトを起案すると、必ず運営会社であるメディアジーンが運営するWEBメディアのGIZMODEやlifehackerに記事を掲載してくれるのです。
これらのWEBメディアは国内でも屈指の規模で、特にGIZMODEはガジェット好きが好むメディアなので、必然的にmachi-yaでガジェット系商品を起案すると相性が良く支援を伸ばせる可能性は高いです。
本来はGIZMODEなどに掲載してもらおうと思ったら多額の掲載費が掛かりますし、そもそも掲載してもらえることも簡単ではありません。
こうした独自のサービスがあるからこそ手数料はやや高めですが、納得して利用できるプラットフォームです。
machi-yaの特長・強み
machi-yaの最大の強みは同じ会社内で運営するGIZMODEやlifehackerへの記事掲載で間違いないでしょう。
クラウドファンディングを起案するような商品やサービスは認知度の低い場合が多いです。そうした商品やサービスを広げるために広告を出稿したり、これまで紹介したMakuakeやGREEN FUNDING経由で紹介してもらうことも大きいですが、GIZMODEやlifehackerといった「クラウドファンディングとは違ったステージ」で取り上げてもらえることは大きな強みになります。
意外かもしれませんが、テレビや雑誌、WEBメディアなどで取り上げられたからと言って必ず支援が伸びるとは限りません。
確かに何も無いより確実に認知はされますが、それが直接支援に繋がるかと言えば、それは別なのです。
しかしGIZMODEやlifehackerは国内でも屈指の大規模メディアであること、そしてその読者層もクラウドファンディングに対して敏感だからこそ、machi-yaのプロジェクトが掲載されると直接支援に繋がりやすい傾向にあります。
まさに親和性がなせる施策であり、machi-yaの強みと言えます。
machi-yaで利用できる機能
実際にmachi-yaでプロジェクトを起案した場合に利用できる機能をご紹介します。
machi-yaアナリティクス
アクセス解析機能はPV数やユーザー属性といった基本的な項目が分析できます。ちなみにCAMPFIREが吸収したのでCAMPFIREの使い勝手と同じイメージです。
活動報告(メール送信)
活動報告もすでにMakuakeやGREEN FUNDINGで紹介していますので、詳しくは同じイメージです。
支援者コメント
支援者コメントもすでにMakuakeやGREEN FUNDINGで紹介していますので、詳しくは同じイメージです。
machi-yaのサポート
machi-yaでプロジェクトを起案した際にmachi-yaがサポートしてくれる内容をご紹介します。これらは全て保証ではなく、起案者の希望やプロジェクトの支援状況によっても異なります。
メルマガ配信
machi-yaも定期的にプロジェクトを紹介するメルマガ配信を行なっています。
最低1回は掲載され、あとは支援の状況に応じてとなります。支援を伸ばせば伸ばすほど、その実績が新たな支援者を呼ぶというのは全てのプラットフォームに共通していると言えますね。
GIZMODE・lifehacker記事掲載
強みの部分で書いた通り、GIZMODEやlifehackerにプロジェクトの紹介記事が掲載されます。
プロジェクト開始後と終了前の2回はほぼ保証されており、あとはサンプルの有無や支援状況などによって変わります。
もしサンプルが手元にあれば絶対に提供しましょう。いわゆる「使ってみた」系のレビュー記事を書いてアップしてくれます。これがmachi-yaで起案する上で肝と言えます。
流石、国内屈指のメディアを運営しているだけあり、ライティングや商品の見せ方などは素晴らしいものがあります。前述の通り手数料は他に比べて高いですが、その分だけ「手数料」という文字通り手間も掛かっているので、納得できるサポートと言えます。
その他に広告を出稿する場合は自社で運用することになりますので、記事掲載とメルマガ配信がmachi-yaでの主なサポート施策となります。
machi-yaに向いている商材・会社
強みがGIZMODEやlifehackerへの記事掲載なので、必然的にその読者層との相性が良ければ良いほど支援が伸びます。
- イヤホン、スピーカー、PC周辺機器などのいわゆる「ガジェット系」
- 珍しい機能や奇抜なアイデアなど「意外性」がある商品
- GIZMODEやlifehackerに掲載してもらい実績にしたい
- 他のクラウドファンディングを起案した後に再度起案したい
machi-yaはMakuakeやGREEN FUNDINGに比べて新規性という意味ではそこまで厳しくない傾向にあります。
そのため、例えばMakuakeで起案したプロジェクトが終了後、machi-yaで同じ商品やブランドを起案することは可能です。
Makuakeは他のプラットフォームで起案した案件はほぼ確実にNGとなるので、そういった意味で寛容性があるプラットフォームと言えます。
つまりガジェット系商品ならGREEN FUNDING→machi-yaという順番で起案すればかなり相性が良いと言えます。
machi-yaはまだまだ後発組のクラウドファンディングではありますが、確実に流通額が増えているので今後も伸びそうな印象です。
まとめ
今回はクラウドファンディングプラットフォームの中でもMakuake、GREEN FUNDING、machi-yaの3つをご紹介しました。
もちろん他にも多くのプラットフォームが存在しますが、商品を提供する購入型クラウドファンディングであれば、まずこの中から1つあるいは2つから選んで起案すれば間違いないでしょう。
ここ最近はようやく日本でもクラウドファンディングが浸透しつつあり、支援者が増えてきています。その分だけ起案者も増えているため、一昔前のように「出せばそれなりに注目される」という時代では無くなってきました。
とはいえ、まだまだチャンスはたくさんあります。それぞれのクラウドファンディングプラットフォームの特長や強み、実際に利用できる機能や施策面などを加味してクラウドファンディングにチャレンジしてみてください!
合同会社FRONTIER TRADE代表社員。
一人でも出来るビジネスを通じて一生涯に渡って稼ぎ続ける情報を発信するメディア「ひとりカンパニーのススメ」を運営。自らもひとりカンパニーとして輸入総代理ビジネス、Webサイト構築、メディア運営、YouTubeなどに取り組む。