価格設定や広告効果の答えは数字で見る

私自身も常に考えていることですが、個別サポートをしている方を中心によく聞かれることがあります。
それが『価格はいくらにしたらいいでしょうか?』といった価格設定に関する内容や『広告はいくらくらい使えばいいでしょうか?』という内容です。

広告費の予算感に関しては、商材やどの広告を使うかによっても異なります。何よりご自身の資金状況にもよるので個別サポートだからこそ的確に回答できる内容ではあります。

とはいえ、設定した価格が正しいのか?出稿した広告は効果があるのか?デザインを改修した意味はあったのか?といった目に見えない要素を可視化してくれるのが様々な「数字」です。

今日はこうした数字に関する内容をアウトプットします。

価格設定の考え方と答えになる数字

輸入総代理ビジネスやOEMによる自社商材の場合、価格決定権が自社にあります。
一方で他社の商品を仕入れての販売は基本的に価格決定権が無いので、定価を守るか仕方なくセールやクーポンで安くするしか選択肢はありません。

そういった意味で輸入総代理ビジネスやOEMはビジネスモデルとして優れている要素の1つと言えますが、実際に価格設定をする上で「どうやって決めるのか?」は物凄く重要な要素です。

それもそのはず。基本的に私たちは普段の生活で「物の値段を決める」なんてことは滅多にありません。
人によっては一生そういった機会がない方も珍しくないはずです。

最近ではメルカリやヤフオクの普及で中古品を「自分の意志で値段を決める」という機会も増えてきましたが、新品の商品、しかもこれから販売し始める商品を自分の意志で値付けする、という経験はなかなか無いものです。

価格の決め方

実際に価格設定をする上でいくつか判断材料になる要素があります。
よく言われている方法としてはコストから考えていく方法です。
例えば原価100円、送料10円、販売手数料10円、梱包費5円、みたいな感じで1個の商品を売るのに掛かる経費を計算します。
そうすると経費が125円なので、これに100円の利益を乗せて225円で売ろう、みたいな感じです。

この考え方は特に飲食店で食事のメニュー、価格設定をする際に採用される傾向にあります。

他ではその商品のカテゴリーから相場観を判断して設定する方法です。
例えばラーメン1杯であれば、500円なら安い、1000円ならまずまず、1500円なら高い、といった相場があるはずです。
もちろん価格以外に大事な要素はたくさんあります。ラーメンの例なら何と言っても味ですし、店舗の広さや人件費など他にも考える要素はあります。
とはいえ、まずは価格設定を決めることが全ての始まりです。

先ほどのラーメンの例で言えば、1杯1500円で売りたければ相当な強みや特徴が必要ですし、立地や内装のこだわり、スタッフの教育などあらゆる要素でこだわりを出さないと「高いラーメン」で終わってしまいます。

その他にも価格設定をする上で大事な要素や考え方もありますが、そこは個別サポートでフォローします。

決めた価格の答え合わせ

いずれにしても価格設定を決めた上で、「本当にこの価格で良いのか?」という答え合わせが必要になります。

その答え合わせに必要な数字が「売上」です。

当たり前と言えば当たり前ですが、売上が多ければたくさん売れている証拠です。つまり「その商品はその価格で合っている」ということの証明とも言えます。

逆に売上がイマイチで反応が悪い場合「価格が合っていない」可能性があります。

もちろん他の要因を考える必要はありますが、何よりも価格設定に直結するのが売上であり、売上に直結するのが価格とも言えます。
だからこそ一時的なセールやクーポンなどで割引して売上を増やすことも珍しくないのです。

※価格が売上に直結しますが本当に大事なのは利益です。経営的な要素なので今回は割愛しますが売上至上主義は危険ですのでご注意ください。

価格設定をテストする方法

基本的に一度決めた価格はそう簡単に変えられません
Amazon転売のように価格決定権がない商品なら「他社の最安値に合わせる」といったコントロールがありますが、自社商品はそうもいきません。
そのため、基本的には少し高めに設定しておいて、後から値引きできるようにする、という方法が無難と言えば無難です。

とはいえ、そう簡単に値引きするのもブランディングに関わります。卸売をしていれば取引先との関係性も出てくるのでシビアになります。
そこでテスト販売として活用できるのがクラウドファンディングです。

このブログでもクラウドファンディングについて多くのアウトプットをしていますが、価格設定の側面からクラウドファンディングを活用する視点はあまりアウトプットしてきませんでした。
また、他のサイトや書籍を見ても「クラウドファンディングはリスクなく販売できるプラットフォーム」という情報が目立ち、本当の意味での「テストマーケティング」を理解している人が少ない印象です。

話を戻すと、クラウドファンディングは予約販売的な要素もありますが、一番はテストマーケティングです。
新商品を発表し、そこでデザイン、機能性、ユーザーへのメリット、こんなお悩みを解決します、といった要素を訴求するわけですが、最終的な反応の良し悪し、支援がたくさん集まるかどうかの判断材料として価格のウエイトは大きいです。

高いけど良い商品とか、高過ぎて買えないとか、安過ぎて不安になるとか、価格が人に与える影響は大きいものです。

商品自体の反応を見ることも大事ですが、価格の反応(売上)を見て一般販売する際の判断材料にできます。

ですので、例えばクラウドファンディングで5000円の商品が好評でよく売れたとすれば、そのまま5000円でもいいですが6000円にしてみるのもアリです。(実際には販売予定価格から割引するのでそこの考慮は必要ですが)

逆に少し高めに設定して反応が悪い(売上が伸びない)のであれば一般販売時や別のクラウドファンディングを実施する際に価格を下げるというのも選択肢として必要です。
基本的に最初のクラウドファンディングより次のクラウドファンディングの方が安くなると、最初のクラウドファンディングで支援した方に不利(自分が買ったときより安くなっているじゃないか!)な状況になります。
しかし、例えば最初のクラウドファンディングで支援した方には迅速に商品をお届けをしたり、一般販売後に使えるクーポンを発行するなど、価格以外の要素でフォローすることで満足度を維持します。

どうしても価格の面でクレームがあるようなら、思い切って返金・返品に応じるのもアリです。
いずれにしてもクラウドファンディングはテストマーケティングであり、多少の価格変更や仕様変更はやむを得ない世界です。

そこでしっかりとテストして、売上やアクセス数、購買層などの数字を分析していくことで一般販売のクオリティを上げていくことが出来ます。

広告測定の考え方と答えになる数字

続いては広告測定に関してです。

広告、特にWEB広告は数字を細かく分析することが出来ます。これがWEB広告の強みと言えます。
例えばFacebook広告ならFacebook側の管理画面で広告の各指標を分析できますし、Googleアナリティクスでサイト側の分析が出来ます。

こうした広告測定、サイト分析で最も重要な考え方は「目標を明確にする」ということです。

例えばFacebook広告で認知拡大を目標としたキャンペーンを配信するとします。
認知拡大を目標にするなら、答えとなる数字は「インプレッション数」や「クリック数」になります。
あくまでもブランドや商品、サービスの「認知」を増やしたいので、このキャンペーンでコンバージョンを見ても意味がありません。
どのくらいの人たちに広告が広がっているか(インプレッション)、そしてその結果としてどのくらいの人がクリックしたか(クリック数)を見るのが正解です。

このキャンペーンで注文や成約が来ないからと言って「CPAが高過ぎるからダメだ」という判断は間違いです。

これは分かりやすい例ですが、他にも集客を目標とするならクリック数、見込み客を目標とするならカート追加、動画を見て欲しければ動画の再生回数、そして成約を重視するならコンバージョン数、とそれぞれ答え合わせになる数字があります。

これらの目標と実際の数字を見比べながら運用していきます。
広告の効果測定に終わりはありません。広告を配信し続ける限り放置していいことはなく、コンスタントに定点観測が必要です。

そして答え合わせとなる数字をしっかりと分析し、費用対効果に合っているのか、一時的に赤字でも仕方ないのか、効果が良いからもっと予算を増やしたほうがいいのか、を常に判断していきます。

数字で答えが分かるからやりやすい

よく「自分は数字が弱いです」という人がいます。
確かに私も数字に強いとは言えませんし、数学は大の苦手でした。

しかし、ビジネスの現場で必要な数字は微分積分や方程式ではなく、四則演算のみです。
その四則演算もあくまで手段であり、本当に大事なことは目標を明確にして分析することです。

ビジネスの世界に正解はありません。たとえクラウドファンディングで赤字でもその後の一般販売で黒字になれば問題ないです。
そういった意味で答えを見出すのは難しい側面もありますが、価格設定や広告測定のように数字を見ることで一定の答えが導き出せる要素もあります。

数字で分かるなら数字を見て判断すべきです。

一方で数字では計測、判断できない要素もたくさんあります。

数字だけの頭でっかちになってはいけませんが、数字で分かるものは分析して改善していこうよ、という気概が必要です。

私自身もまだまだですし、数字の部分が疎かになることもあるので自戒の念を込めてですが、活用できる数字は積極的に活用してビジネスを伸ばしていきましょう。

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